市販のカラー剤って大丈夫?


◎アルカリカラー(白髪染め、ファッションカラー)
◎ヘアマニキュア
◎カラーシャンプー、カラートリートメント
◎ヘナ
などがよく耳にする種類じゃないでしょうか?これらのカラーはそれぞれに特性があり使用法や染まり方が全く違います。ではそれぞれについて簡単に説明していきます。
ヘナとはミソハギ科の植物でその葉にはローソニアという赤色(オレンジ色)の色素が含まれ、髪や爪などタンパク質でできた部位に付着すると着色するという特徴があります。主に白髪染やトリートメントとして用いられることが多く、髪や地肌にも負担はありません。ただこのヘナも黒髪を明るくするという力は一切ありません。
現在ではこれらのカラー剤が市販でも多く流通していますが、それぞれの特性を理解していないと、使用した際に思っていた通りの仕上がりに近づけるのは難しいと思われます。

それぞれのカラー剤のメリット・デメリット
アルカリカラー
メリット・・・髪を明るくできる、色もちが良い、様々な色を表現できる
デメリット・・・髪が痛み乾燥する、頭皮に負担がかかる
ヘアマニキュア(酸性カラー)
メリット・・・髪が痛まない、地肌に負担がない
デメリット・・・髪を明るくはできない、地肌や手に着くと色が取れにくい、本当の根本は染めれない
カラーシャンプー・トリートメント
メリット・・・髪が痛まない、塗布する技術がいらないので簡単
デメリット・・・髪を明るくできない、1回ではしっかり染まらない、繰り返し使うとアルカリカラーが綺麗に染まらない可能性がある。
ヘナ
メリット・・・髪が痛まない、トリートメント効果が高い、地肌に負担がない
デメリット・・・髪を明るくできない、白髪染に使用した場合白髪の部分がオレンジ色になる、時間がかかる

こんな人は市販のカラーで染めるのはやめた方がいい

髪の量が多く太い、元々の黒髪が人より黒く感じる人
こういう人は比較的、もともとの黒髪の色素の中に赤を多く含んでいる傾向があります。そうすると思っていた色ほど明るくなりにくく、透明感を求める寒色系のカラーなどの日本人の流行色を表現するのが難しいといえるでしょう。さらに単純に量が多いだけで、一人でカラーを塗る時間がかかります。すると初めに塗った部分と後から塗った部分に明るさや発色の差が出やすいと言えるので、失敗につながりやすくなります。
髪が細くなってきていたり、髪にハリ、コシが感じられない人
もともと猫っ毛だったり、年齢とともに髪が細くなったり、衰えを感じている方は市販のアルカリカラー剤などで染めてしまうとさらに扱いにくい髪になる事が予想されます。そもそも市販のアルカリカラー剤などは美容室で使用しているアルカリカラー剤などに比べ、アルカリの配合率が高いものが多いです。傷みやすくデリケートな髪を染めるには適してないと言えるでしょう。
月1、もしくは月1以内に白髪染めをする人
市販のカラー剤を使用する方で1番多いのが白髪染めです。特に近年は様々な白髪染めのアイテムが乱立していて中には粗悪な物も存在します。白髪染めをされる方は基本的にカラーをする頻度が高いうえに、塗り方を間違うと取り返しのつかないムラなどが起こる事が多いと言えます。特に普段からカラーシャンプーなどの白髪染めなどを使用している人は、その後、美容室で普通のアルカリカラーなどで施術しにくくなったり(色が入らない、ムラになる、変色するなど)なども起こり得ます。頻度が高いカラーほど地肌や髪に負担の少ないカラー剤を使用することをお勧めします。


まとめ
美容師という立場上、市販のカラー剤をオススメしたりすることはまずないのですが、それでも急に染めなくてはならない場面もあるかと思います。そんな時はまず、このブログに書いたようなことをしっかり思い出したり、確認してもらえれば幸いです。最近では手軽に染められる商材が薬局やコンビニにも並んでいますが、美しい髪はそんなに簡単に手に入る物ではありません。体調を壊して病院に行った時にお医者さんから処方してもらった薬と自分で薬局に行って選んだ薬とどちらに自信が持てますか?市販のカラー剤と美容室で使用しているカラー剤にもそのような違いがあります。プロが考え選んだものをプロの手によって使ってもらう。これが綺麗な髪を手に入れる1番の近道ではないでしょうか?